みかづき  森 絵都著


戦後 ベビーブームにのり 昭和 平成と 塾業界が 奮闘した 物語。

所々 時代背景を交えて 

「米国からの独立 昭和27年 再び 国家主義に 傾き・・学校教育法が改正 教科書の検定権が
文部省の手に・・・教育二法による 日教組への弾圧公選制であった教育委員会が任命制に変わった。
文部省の権限拡大。」

「学力テストは、教育基本法の精神に反する。・・勤務評定への抗議活動も盛ん・・・」

「戦後のベビーブーマーが高校受験の年齢に・・15の春は、泣かせない・・高校全入運動・・
高度経済成長により 余裕のある家庭は、子供の投資に・・人々の関心は、塾へと・・」

「塾のせいに・・学力偏差も受験戦争も 元を正せば学習指導要領の改正 学力テストが招いた弊害・・
文部省は、落ちこぼれの救済より エリートの育成を優先」

「社会的地位は、決まっていた。学制・・教育を受ければ 誰でもいい職に就ける、自らの手で人生を
切り拓ける・・誰もが横一列の出発点に立ち・・競争が始まるのは、必然」「受験戦争が けしからん
と言うのなら 明治5年以前の封建社会に戻るしかない」

「太陽が照らしきれない 子供たちを照らす月、それが塾」

「独立回復を転機に風向きが一変 公職追放されていた官僚が文部省に返り咲き・・戦後教育の見直しが
始まった。国の干渉から 切り離されたはずの教育が あっという間に 官僚の支配下へ・・」

文部省 業界テスト 全面追放 偏差値脱却
学校崩壊 いじめ 不登校 教育病理は、核家族化 共働き 子供に手をかけられなくなった家庭が
学校を頼りきり・・人間形成も勉強も家庭が学校を頼りきり ・・教員に負わせてきた ひずみ・・
バブル経済崩壊後 失業率  増え続ける生活保護者 塾の月謝どころか 給食費さえ捻出できない
家庭の増加。
ゆとり教育 の本当の目的・・・エリート教育。エリート以外は、確信的に切り捨てる・・・
混迷を極めた教育改革の終着点は、能力主義国家主義

常に何かが 欠けている三日月 教育も自分も同様、・・欠けている自覚があればこそ
人は、満ちよう、満ちようと研鑽を積むのかもしれない」


時代背景を元に 塾に 命をかける家族。どこか ホロリと するところもあり
長編では、ありましたが あっという間? 家事の合間に 二日間で 読み切りました。